死について。動物編。
（多少、残酷な描写があるかもしれないので
苦手な方はご注意ください。
また、暗い上に長文です。ご了承ください。）
今朝、数年前に亡くなった
家で飼っていたビーグル犬、
弁慶くんが
会いに来てくれた感じがした。
今日は彼に触発されて
死について書いてみようと思う。
わたしにとっての死。
自分以外の死に関して言えば
一番初めの死に関する
印象に残っている記憶は
「蟻地獄あそび」だ。
小学校低学年のころ。
マンションのベランダの下にあった
砂場のような場所で
近所の友人と
「蟻地獄」なるものを作る遊びが
流行っていたときがあった。
逆円錐状に砂を成形し
表面をサラサラの砂でコーティングして
中に入れられたアリが
這い上がれないようにするという
なんとも残酷な遊びで
初めの何回かはアリさんは
無事脱出できたのか
気がついたらいなくなっていた。
何回か目に
とうとうアリさんは
脱出できないまま
蟻地獄の中で息絶えていた。
命の終わりってあるんだなぁ、というか
背徳感と罪悪感となんとも言えない感じが
子供心に刻み込まれた。
蟻地獄遊びの友人とは
アマガエルを捕まえてきて
マンションの踊り場の手すりから
飛び降りさせて
何階の踊り場だったらどうなるかという
実験をしたりして
いまから振り返ると
子供ながら残酷なことをしてたなぁと思う。
動物の死で一番印象に残っているのは
何と言っても飼っていた犬の死だ。
今朝、会いに来てくれた
ビーグル犬の弁慶くん。
ある日突然
今は亡き父が
ペットショップで彼と出会って
連れ帰ってきた。
彼が家に来たときはまだ
中学生だったわたしの
両手の中に収まるくらいだった。
名前をつけたのはわたしで
漫画の中の気に入っていた
登場人物から名前をもらった。
今考えても、なかなかいい名前だと思う。
弁慶くんは初めのうちは
庭で飼う予定だった。
初めのうちは小さかったこともあり
家の中で育てて
いよいよ庭で飼おうとしたときには
すっかり室内犬になっていて
いつまでもいつまでも
「中に入れてくれー」と
哀しげにきゅーんきゅーんと鳴くので
結局、家の中で飼うことになったのだった。
以来、家族の一員だった。
弁慶くんは食いしん坊だった。
隙あらばテーブルの上のものを狙い、
何か食べてる人がいたら
尻尾を振りながらお座りして
貰えるのをじっと待っていた。
散歩は家族で交代で。
他の犬を見つけると
突進して行ってしまうので
制止するのが大変だった。
うちで飼い始めてから
１０年と少し経った頃
彼には腫瘍がみつかっていた。
父の知り合いの動物病院に連れて行ったりもしたが
結局、手術はせずに看取ることに。
最期は家で静かに夜中に息を引き取り
翌朝、まだ体温の残る身体にお別れをしたのが
思い出される。
近所の葬儀場に連れて行き
火葬してもらった。
ペットの火葬は一体ずつではなかったため
いろんな骨が混ざった骨壺を受け取って
火葬場から帰ってきた。
彼が亡くなって
しばらくは家中が静かだった。
彼は、犬だったので
当然ながら言葉をしゃべることはなかった。
だけど、家族が落ち込んでいたりしたときには
そばにいてじっと寄り添ってくれていた。
非言語コミュニケーションのあり方を
教えてくれたように思う。
そして、ひとつの命が終わるところを
一番近くで見せてくれた。
そんな経験をさせてくれた父にも感謝。
人間編へつづく。
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